2017/12/4匠の緑茶Storyお茶の花が咲いたらピンチ?!
今年最後の茶園仕事で、
お茶の花を探してみました。
お茶の花の咲く時期は10月~12月なので、
ぎりぎり間に合いましたが、
見つけるのにけっこう苦労しました。
やっと見つけたこのお花も、
もう終わりかけ。
お茶はツバキ科の植物なので、
ツバキに似た、小さな可愛らしい
白いお花が咲きます。
「茶畑だから、
お茶の花いっぱい咲くんじゃないの?」
…と思われがちですが、
実はそんなことないのです。
植物の成長には
樹そのものを発達させる「栄養成長」と
子孫を残す(実をつける)「生殖成長」の
2つがあります。
お茶の場合、
お茶の実ではなく葉を収穫するので、
生殖成長すること
(=お茶の花が咲きお茶の実がつくこと)は
実の生育に栄養が取られてしまうため、
お茶の葉に栄養分が行きわたらず
好ましくないのです。
茶樹の栄養状態が悪化すると、
お茶が自身の存続の危険を感じ、
自分自身が元気に成長することよりも
子孫を残す方向へと頑張るそうです。
よくできた仕組みですね。
(参考:木村塾・茶の生理生態)
おいしいお茶を作るために
適切な茶園管理をしていると、
必然的にお茶の花がつきにくくなる、
というわけです。