2017/12/9国語(食の六教科教室)醍醐味ってどんな味?
「それがこの仕事の醍醐味だ」など、
本当の味わいやおもしろさを表現する時に使われる
「醍醐味」という言葉。
もともとは仏教用語で、
最上・真実の教えという意味です。
醍醐というのは、お釈迦様が亡くなる時に残した
最高の教えとされる「大般涅槃経」に記されています。
「乳(にゅう)」を絞り、そこから「酪(らく)」、
「生蘇(しょうそ)」、「熟酥(じゅくそ)」、
「醍醐」と順を追って作っていき、
最後の醍醐が最上の美味ということから、
大般涅槃経も数々の経典を経て
最後に辿り着いた最上のものという例えで
「醍醐」が使われているのです。
つまり醍醐とは乳製品のこと。
どうやらヨーグルトとバターの間の
ようなものだったらしく、
平安時代の貴族たちにとって
超貴重な蛋白源であり贅沢品だったようです。
時間と労力をかけ、努力したところに
本当の魅力が生まれるという、まさに
味わい深い意味が込められていたんですね。
ちなみに醍醐のことを
サンスクリット語でサルピル・マンダと言い、
乳酸飲料の「カルピス」は
これが語源となっているそうです。