FOTOCO

あなたの味わいがもっと深まる!

自分の香りを作曲するチョコレート

fotoco,フートコ,味覚,mikaku,galler,kaori

バレンタインのちょっと前、NHK BSで
「女王たちのチョコレート ヨーロッパ王室御用達紀行」
という番組をやっていました。
スペイン、モナコ、ベルギー、イギリスを巡り、
王室に愛されたチョコレートとその物語を紹介する内容です。

どれもステキにおいしそうだったのですが、
中でも私の目を釘付けにしたのが、案内役の高島礼子さんが
移動中に列車の中で食べていたチョコレート。
箱の中に細長いスティック状のチョコと3種類の小瓶がセットされ、
小瓶のディップをつけて食べるのだそう。
高島さんは柚風味のチョコスティックに柑橘系のソースをつけ、
「とても合う!」と驚かれていました。

「ヨーロッパのチョコレートなのに柚?ディップして食べる??」
衝撃でした。この時はどこの何というチョコか明かされないまま
シーンが変わってしまったのですが、調べて見つけました。
これはベルギーを代表する王室御用達ブランドGallerの
その名も「香 KAORI」というチョコレート。

パッケージに美しい草書体で「香」と書かれています。
このチョコレートは筆をイメージして作られたこと、
パッケージの「香」という文字は日本人の女性書道家が書いたこと
などが分かりました。

さっそく購入しようと探しましたが、どうやら日本未発売。
Gallerの日本のサイトへお取り寄せを問合わせたところ、この商品は
まだ輸入の手続きが整っていないためできないとの答え。
ならば本国へ聞いてみようとGaller本店に問い合わせましたが、
やはり日本へは送れないというのです。

使用している香料の関係で日本では販売できないらしい
と言っている人がいて、それなら正規で手に入れるのは無理というもの。
でもここまできたら、諦める私ではありません。
よく来日するイギリス人の友人に「今度会う時に買ってきて」と
お願いし、苦節約1カ月、割とすぐ手に入りました笑。

箱の中には、6種類のスティックチョコレート
(バニラ&ココナッツ、サフラン、バルサミコ&ストロベリー、
カルダモン、ゆず、ジンジャー)。
そしてディップ用のポット3種(カラマンシーのソース、
抹茶とポピーシードパウダー、粗挽きココアとオレンジのパウダー)。

説明書きに「口の中は何も描かれていない紙。そこへブラシをつけて、
あなただけの香りをcomposeしてください」とあります。
「香りを作曲してください」とは
何というアーティスティックなお菓子でしょう。

さっそく食べてみると、
ビターなチョコレートの中にスパイシーで香り高いガナッシュが。
それをディップにつけると、カラマンシーは強い酸味と甘味、抹茶は
ほろ苦く、ココア&オレンジは強いオレンジの香りとほのかな苦甘味。
複雑なフレーバーが広がり、どれも香りの上級者向けという感じで、
日本のスイーツとはまったく違う味わいでした。

Gallerの創業者ジャン・ガレーさんは、21才の若さで創業し、
異例のスピードでベルギー王室御用達として認定されたショコラティエ。
フローラル系、海藻、岩塩、スパイス、ペッパー、唐辛子など
さまざまな素材とチョコレートをいち早く組み合わせた人でもあり、
ベルギーチョコレートの伝統を守りながら、
常に味も見た目も革新的なチョコレートを創り出している方だそうです。

そんな方が、チョコレートへの愛情と情熱を持って柚や抹茶を使うと
こうなるんだ!という新しい体験をさせてもらいました。
まだまだ世界は知らないことだらけ。
見聞の幅を広げていきたいと思います。

fotoco,フートコ,味覚,mikaku,galler,kaori
全部の組み合わせをじっくり味わいました

高級フレンチより美味しい?!味と記憶の関係2

おにぎり

誰しも、”もう一度食べたい味” や “忘れられない味”があると思います。
一般的に、”おふくろの味” と呼ばれるものも、そのひとつです。

おふくろの味だけでなく、例えば子供の頃によく食べたお菓子や、
汗だくになって部活動を頑張った後によく飲んだスポーツ飲料の味、
自分の子供が初めて焼いてくれたクッキーの味、
旅先で空腹の中、やっとみつけた食堂のおそばの味、などなど、
決してものすごくおいしいわけでもないのに、忘れられない、
もう一度食べたい!、そんな風に思う味があります。

上記の例に共通しているのは、
“プラスの記憶と結びついている味わい” ということです。

プラスの記憶や、作り手の優しい想いを感じられると、
受け取る側の感覚も変わってくるのです。

そう考えると、自分が相手に何かを作ったり、選んだりする時、
相手を喜ばせようとする気持ちは、相手の感覚をも左右する、
とても大切なことだとわかります。

高級志向一辺倒だったバブル景気を経て、
食の安全・安心への意識が、ここ10年ほど高まり続けている中、
生産者のこだわりや熱い想いが伝われば、不格好な野菜であっても
わざわざ取り寄せて購入する方が増えてきています。

毎日繰り返す “食事” の中、いろんな “おいしさ” の記憶を積み重ね、
大切な人とも共有できたら素敵ですね。

 

好きなのに食べられない?!味と記憶の関係

生牡蠣

私は小さい頃、独特の風味とほのかな苦味が苦手で、
牡蠣が食べられませんでした。

しかし、高校生の頃くらいから、何故か美味しいと感じ始め、
大人になってから大好きになりました。

ところがある日、
少し体調が悪かった時に生牡蠣をいただいたせいか、
食後、気持ちが悪くなってしまったのです。

それ以来、頭では「食べたい!」と思っても、
いざ食べようとすると、体調を崩したことを思い出し、
胃が拒否反応を起こすようになってしまいました。

生牡蠣に関しては、
食べられない → 食べられるようになった! → 食べられなくなった
という、面白い体験をさせてもらえました。(笑)

このように、味や食べ物の好き嫌いは、年齢を重ねることで
変化をしていきます。
子供の味覚は大人よりも敏感で、特に、苦味、酸味、渋味、辛味に
敏感に反応します。
これらの味わいは、本能的に危険を感じさせる味わいでもあるので、
「これは食べても安全なんだ。」という経験を積むことによって
克服できる可能性があるのです。

ですから、子供の好き嫌いに困ったとしても、
気長に待つことも大事かもしれません。

私の両親は嫌いなものを食べることを無理強いせず、
味経験を重ねさせるため、一口だけ頑張って食べてみよう!という
育て方をしてくれました。
おかげで、苦手な食べ物があっても、その都度、
「ひょっとしたら食べられるかも。少しだけ、食べてみよう。」
という前向きさを持つことができ、結果的に苦手なものがほとんど
食べられるようになり、とても感謝しています。

ただし、前述の牡蠣に関しては、”体調を崩す”という経験を
挟んでしまったがために、味ではなく、過去の記憶が原因で
食べられなくなってしまいました。

このように、味の記憶がマイナスの記憶に結び付くと、
それを克服するのは至難の業になってしまいます。

そういう理由からも、子供に対して嫌いな食べ物を
無理矢理食べさせることは、マイナスの記憶を植え付け、
より嫌いにさせてしまう可能性があるのです。

たとえ、今、食べられないものがあったとしても、
「いつか食べられるようになるといいね。」
という気持ちで見守ってあげられたらいいな、と思います。

私の好きな苦味・苦手な苦味

私の好きな苦味・苦手な苦味

“苦味”は、本来、毒性を感じさせるものとして、
動物の本能的には避けられてきた味わいです。

しかし、豊富な食生活の中で生きる私たちにとっては、
欠かせない“嗜好性”のひとつでもあります。

私の場合、小さな頃から緑茶を飲んで育ったためか、
知り合いや職場の人と比べ、
緑茶の苦味に対する許容量が広いようです。

例えば同じ緑茶に対して、
Aさんが「このお茶、苦いねぇ。」と言っても、
私は「え?全然苦く感じないよ。」ということがよくあります。

しかし、コーヒーやビールに関しては、全く逆です。
ブラックコーヒーは苦くて飲めないため、
コーヒーを飲むときには、ミルクとお砂糖をたっぷり入れます。
ビールの場合、舌に刺さるような苦味が苦手です。
ただ、ホップの風味は好きなので、ほんの少しずつ口にしていたら、
軽めのビールなら少量は飲めるようになってきました。

食べ物の場合、さんまやいわしのはらわたの苦味は苦手ですが、
春の山菜(ふきのとう、たらの芽等)の苦味は大好きです。

このように、苦味ひとつとっても、さまざまな苦味の種類があり、
好みは分かれます。

そのため、お茶を淹れるお仕事の多い私は、
相手がどのくらいお茶に慣れているか
(=どのくらい渋味や苦味に慣れているか)
会話などの中から好みを探ります。

苦味は経験で “苦手から好き!” に変わる可能性を持つ味わい。

今は苦手でも、少しずつ慣らしていくことで、
好きな味わいが増えるかもしれません。

世界の味を変える!?UMAMI

おいしい、おいしくないの捉え方は人それぞれ。
その日の体調や環境によっても変わります。
そもそも味って何なのでしょう?

かつて味の基本は、
ドイツの心理学者ヘニングが提唱した
甘味、塩味、酸味、苦味の
4つが基本とされていました。

もっと以前には辛味、渋味、刺激味、無味、
脂身味、アルカリ味、金属味、電気の味(!)
などがあったらしいのですが、
温覚や触覚などが除かれ
基本の味覚として整理されたようです。

そこに1908年、
日本で旨味成分であるグルタミン酸が発見され、
従来の四味では説明できなかったため、
日本では旨味が加えられて
「五味」が基本とされました。

旨味が世界に認知されるようになったのは
最近のこと。それまで海外にも
旨味を活かした調理はありましたが、
複合的な要素で生まれる味とされ、
旨味という概念がなかったのです。

1985年に開催された
第1回うま味国際シンポジウムを機に
「UMAMI」という表記が誕生したそうで、
今では世界共通語になりつつあります。

イギリス人の友人が
「日本のマヨネーズは世界一おいしい!」と言って
来る度に買い込んで行きます。
おそらく海外のものより旨味成分が強く、
日本好きで何度も来日しているうちに、
旨味のおいしさに目覚めたのでしょう。

さらに彼女は、「日本のフレンチや
イタリアンといった洋食がおいしい!」と大好物。
ロンドンにもおいしいお店はあっても高価らしく、
5000~6000円のランチで
これだけおいしい食事はないと断言します。

良い素材を使う、仕入れに工夫をするなど
さまざまな企業努力はあるでしょうが、
これも旨味の使い方が
活かされているのではないでしょうか。

海外でも日本の出汁を使いUMAMIを活かした
料理を提供するシェフが増えているようです。
このUMAMIが活用されるようになれば、もっと
世界のおいしさの幅が広がるかもしれませんね。