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あなたの味わいがもっと深まる!

春の七草は、五七五七七で覚える

1月7日は五節句のひとつ、人日(じんじつ)の節句の日。
お正月最後の日とされ、
七草粥を食べて1年の豊作と無病息災を願います。

毎年この時期になると、
スーパーの生鮮売場でも七草パックが売られていたりしますよね。
でも七草と言われても、パッと名前が浮かばないもの。
そこで、昔からこんな覚え方がありました。

せり、なずな
ごぎょう、はこべら
ほとけのざ
すずな、すずしろ
春の七草

五七五七七になっていて、頭に残ります。
私がこの覚え方を知ったのは、向田邦子さん原作のドラマ。
昭和初期の東京で、七草粥を作ろうとする若い姉妹が
このフレーズを言い合って笑う、というシーでした。
五七五のリズムが心地よくて、つい覚えてしまいました。

「飛び出すな 車は急に 止まれない」などの標語といい
「水平リーベ 僕の船」という元素記号の覚え方といい、
日本人には、どうも五七五のリズムがなじむようです。

七草粥は、年の初めに雪の間から顔を出した新芽の
力強い生命力をいただく「若菜摘み」から来ているという説があります。
言わば日本古来からある栄養満点のスプラウト。
春の七草の名前を口ずさみながら
年末年始のごちそうで疲れた胃腸を
七草粥でやさしくいたわってはいかがですか。

良い塩梅ってどれぐらい?

塩梅,あんばい

しおうめではありません。
「良いあんばいにできている」などと使う時の
「あんばい」ですね。

昔、食用酢がなかった頃、
塩で梅を漬けた時にできる梅酢を
調味料として使っていたため、
その味加減が良いものを
「塩梅」と呼ぶようになりました。

本来は「えんばい」と呼んでいたものが、
具合よく並べるという意味の「按排」と意味が
似ていることから、どちらも「あんばい」として
混同して使うようになったようです。

では、「良い塩梅」とはどんな加減なのでしょう?
料理なら、まず自分が
おいしいと思う味が基準になります。
でも、1人で食べるのならそれでいいですが、
相手がいるとそうはいきません。
まして、料理のプロであるシェフならなおさらです。

「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國シェフが言っています。
プロと言っても人間だから、
体調によって味覚に微妙な違いが出てくる。
そういう時、「今日は体調が悪いから、
自分がちょうどいいと感じるよりも
ちょっと塩を控えめにしよう」など、
自分の体調から逆算して味付けをコントロールする、と。

プロになると、味見をしなくても、
色艶、音や匂い、食感だけで
味と仕上がり具合がある程度分かるそうで、
極めるというのはそういうことだ
とおっしゃっています。

さじ加減ひとつで仕上がりが変わる
「塩梅」とは難しいものですが、
自分中心ではなく、
相手への配慮の中で量れるようになりたいものです。

醍醐味ってどんな味?

「それがこの仕事の醍醐味だ」など、
本当の味わいやおもしろさを表現する時に使われる
「醍醐味」という言葉。

もともとは仏教用語で、
最上・真実の教えという意味です。

醍醐というのは、お釈迦様が亡くなる時に残した
最高の教えとされる「大般涅槃経」に記されています。

「乳(にゅう)」を絞り、そこから「酪(らく)」、
「生蘇(しょうそ)」、「熟酥(じゅくそ)」、
「醍醐」と順を追って作っていき、
最後の醍醐が最上の美味ということから、
大般涅槃経も数々の経典を経て
最後に辿り着いた最上のものという例えで
「醍醐」が使われているのです。

つまり醍醐とは乳製品のこと。
どうやらヨーグルトとバターの間の
ようなものだったらしく、
平安時代の貴族たちにとって
超貴重な蛋白源であり贅沢品だったようです。

時間と労力をかけ、努力したところに
本当の魅力が生まれるという、まさに
味わい深い意味が込められていたんですね。

ちなみに醍醐のことを
サンスクリット語でサルピル・マンダと言い、
乳酸飲料の「カルピス」は
これが語源となっているそうです。

食感と言葉の意外な関係!?

ふわふわパンケーキ
“もちっふわっ”なパンケーキ

ここ数年、“もちもち”、“ふわとろ”、
“もちふわ”、などの食感が人気ですが、
こんなにも食感にこだわるのは、
日本人特有かもしれません。

独立行政法人
食品総合研究所さんの調査によると、

日本の食感用語の数は445語
フランス語では227語
中国語では144語
英語においては、なんと、
たったの77語!だそうです。

日本人は元々、米食の国々の中でも
昔から粘り気のあるお米を好む民族。
もちもちとしたものだけでなく、
納豆やオクラ、山芋などのねばねば系も
大好物の私たち。
海も山もあり、四季がはっきりしている
環境だからこそ、豊富な食材に恵まれ、
言語にも反映しているのですね。

とはいえ、
“もちもち”、“ぷるぷる”などの言葉は、
2000年以降に登場した、
まだまだ新しい表現なのです。
やわらか食感がブームということもあり、
言葉は時代を映す鏡の一つと言えます。

これからも、
どんな新しい食感言葉が生まれるか楽しみです。

ちなみに、みなさんは食感を表す言葉と聞いて、
どのくらい思い浮かべることができますか?
一部ですが、下記に挙げてみます。

サクサク、パリパリ、コリコリ、カリカリ、
シャキシャキ、シャリシャリ、パサパサ、
プチプチ、ジューシー、ザクザク、ジュワー、
ヌメヌメ、ザラザラ、シュワシュワ、
ギトギト、ペラペラ、ポロポロ、ズルズル、
もっちり、ぷにぷに、ねばねば、ほくほく、
ぷりぷり、つるつる、ねっとり、しんなり、
まったり、こってり、ぬるぬる、とろとろ、
ふにゃふにゃ、ごりごり、しっとり、やわらか、
ぽそぽそ、ちゅるちゅる、ふにょふにょ、
もそもそ、ほっくり、もっさり、むっちり、
しょりしょり、へなへな、むちむち、こちこち、
くちゅくちゅ、くにゃくにゃ、ぐにゃぐにゃ、
ぬらぬら、ねとねと、じっとり、ぷわぷわ、
かちんかちん、ぷるんぷるん、がっしり、ぽてぽて

食事をよりおいしく表現するために、
このような表現を使ってみてはいかがでしょうか?